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石坂ちほ県議団長に聞く 田中県政をどう見るか

2004年9月

世論と運動こそ県政改革の力
―出直し再選から2年の田中長野県政

 長野県の田中康夫県政は、一昨年の出直し知事選で再選されてから九月一日で丸二年を迎えました。県政の現状について日本共産党県議団の石坂千穂団長に聞きました。

――党県議団は、どのような立場で、県政に臨んでいますか。

 石坂 私たちは、今までもこれからも、吉村前県政の時代も田中県政になってからも、県民与党の立場で、真の?是々非々?を貫いています。県民本位の県政改革は、県民の世論と運動にかかっているとの立場です。

 ですから、県民の利益になる政策には推進に尽力してきましたし、県民の立場から問題だと思うものは、議会質問や申し入れなど必要な批判や指摘、提言をしています。

 田中県政は、多くの弱点や不十分さを持ちながらも、県民本位の改革が始まっていると思います。私たちは、改革をつぶそうとしたり、利権政治の復活を目指す勢力とは一線を画し、あくまで始まった改革を前進させる立場で必要な発言や行動をしています。

―― 県政をめぐる報道には、「足踏み」「混迷」「きしみ」といった文字があふれています。二年前の出直し知事選挙で問われのは、@県民が直接選んだ知事を、議 会の多数で不信任にしてよいのかA極端なゼネコン奉仕・ムダな巨大公共工事優先に象徴される県民不在の旧県政の改革を進めるのか、後戻りさせるのか、でし たね。

 石坂 はい。ほとんど報道されていませんが、改革がどこまで進んだか、県政がどう変わったかを見る一番の指標は、何といっても予算の使い方です。予算の重点をどこに置いているかです。

  二年前、田中知事が前県政から引き継いだ時、長野県は全国で最も国いいなり・ゼネコン奉仕最優先の結果、一兆六千億円もの借金を抱え、財政指標(起債制限 比率)は全国ワースト2、財政再建団体に転落寸前でした。福祉予算は全国最低レベル、教育費も押さえ込まれていました。

 今、予 算の重点は劇的に変わりました。県財政のトップは土木費から教育費に代わり、厳しい財政事情のなかで福祉予算である民生費の割合は二倍になりました。借金 も一千億円近く減らし、あと一、二年で借金のピーク、一番苦しい時期を脱して健全財政に向かうめどが立つ所まできました。これは全国に誇るべき、すばらし い成果です。

――具体的な施策は。

 石坂 多くの県民と党議員団が長年運動してきた三十 人規模学級の実施・拡大、障害の種別を問わず、身体・知的・精神の三障害すべてに対応できる総合支援センターの設置、若年者就業サポートセンターの国基準 を上回る設置など、県民要求にこたえたきめこまかい施策が進んでいます。

脱ダム・治水問題

――ダムによらない治水対策の現状はどうですか。

 石坂 “改革抵抗勢力”は、「知事はダムをやめただけで、その後の対策は具体的に示されていない」「無責任だ」などと盛んに攻撃しています。マスコミも、それに 乗っかって、あれこれ論評していますが、そうではありません。田中知事の「脱ダム宣言」と、その後の県民の努力は、ダムと公共事業のあり方について、地方 政治だけでなく今後の国政が進むべき道を指し示していると思います。

 国は一九九七年に新河川法を制定して、これからの治水対策は、住民参加と環境重視、ハザードマップの作成、情報伝達などのソフト的施策を重視する方向を明確に示しました。これは世界的な流れです。

  今、日本中が新河川法の精神で、新しい挑戦を始めていますが、戦後、何十年も続いてきた?先にダムありき??公共事業ありき?の古い発想を根本から正して いくわけですから、率直にいって、手間も時間もかかるのです。実際、河川整備基本計画は全国百九の水系中十一河川しかありません。?早く結論を出せ?と、 むやみにせかす抵抗勢力の姿勢こそ無責任です。

  長野県では、「脱ダム宣言」をきっかけに、住民参加の検討や情報公開などの新しい動きが始まっています。浅川流域協議会には、ダム推進派や脱ダム派ら百五 十人も参加しています。ここには市町村長も参加していて、住民、首長、県職員が同じテーブルについて議論を尽くす、これだけ大規模な住民参加の取り組み は、全国的にもまれです。

――実現した施策は。

 石坂 河川の浚渫(しゅんせつ)は、めざましく進んでいます。六日の各会派代表との懇談で、知事は「地元の雇用にもつながることなので、今後も今まで以上にやっていく」といっていました。

 また、県独自に、浅川流域で各家庭の雨水貯留タンク設置に補助金を出し、中野市の新しい水源確保のために、調査費や水源確保の予算に補助金を出して応援しているわけです。そういう全国にもない県独自施策での市町村支援も始まっています。

――同和問題での対応も特筆すべきですね。

 石坂  長野県は、東日本で突出した異常な同和行政優遇の県政で、人事、財政、教育と県政全体に非常なゆがみをつくり出していました。この同和対策事業を、昨年度 で終結させました。これは、日本共産党が様々な圧力や暴力に屈せず、一貫して取り上げ、県民とともにたたかってきたもので、歴史的な快挙だといえます。

開かれた県政めざす日本共産党の立場

――県政の「ガラス張り度」はいかがですか。

 石坂  情報公開は飛躍的に改善されました。前吉村県政では、例えば、議員がダム建設の安全性に関する資料請求をしても、情報公開をするかの審議に何週間もかか り、公開が認められても、自分で建設事務所に出かけ、お金を払ってコピーしました。今は県民が請求すれば、必要な資料はほとんど入手できます。

  各種会議の傍聴も、大きく変わりました。前県政時代に設置された「浅川ダム地滑り等技術検討委員会」は当初、議員の傍聴すらできませんでした。何度も申し 入れて、やっと傍聴を認めさせても、受付で記名させられ傍聴席がわずかしかない。何とか会場に入れても資料をくれない。さんざ交渉して資料を配布させる と、持ちかえりはダメ、傍聴者三、四人に一部の配布。こんな状態でした。

――今と比べると、信じられないような状況だったんですね。

 石坂 知事についていえば、年に一度の新年度予算要望の申し入れさえ、前知事は会おうとしませんでした。吉村知事の全任期二十年間を通して、党県議団の申し入れに知事本人が応じたのは一回だけでした。議員団でさえこのような扱いでしたから、県民には閉ざされた県政でした。

 県議会で、知事が質問に答えることさえ珍しかったんですよ。質問通告の段階で、秘書課や議会事務局が「これは知事じゃなく、部長にしてください」などといってくる。もちろん日本共産党はそんな不当な要求に応じませんでしたが、多くの会派が追随しました。

 今は、党県議団の申し入れに限らず、他会派でも県民でも、基本的にはまず知事が対応しますし、議会質問もほとんど知事が答弁しています。

――そんな前県政を支えた勢力が、今も県議会の多数を占めています。

 石坂 田中知事の言動には、県民の立場から見て、これは問題だと思うこともあり、私たちもたびたび指摘しているのですが、利権政治の復活をねらう勢力は、こういった不手際につけ込んで、無用な混乱を招いていると思います。

 実は、?抵抗勢力?会派の幹事長会議・朝食会というのがあって、二月議会では、六つの常任委員会すべてで、知事提案の議案のうち、必ず何かは否決しようという悪だくみまでされたんです。

――党県議団は「長野県政改革の評価と日本共産党の立場」を発表しましたが、反響は。

  この「立場」を、県政批判一色にゆがめて描いた報道もあったためか、他会派・議員から「読みたい」との申し入れが結構ありました(笑い)。でも、心ある県 職員や県民のみなさんからは、「新聞だけ読んでいると、どうなっちゃたのかと思っていましたが、やっと本当のことがわかりました」といった共感の声が少な からず寄せられています。

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