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「県の幹部職員の能力別評価制度」導入に対する申し入れ―石坂ちほ県議のコメント― 昨日のマスコミ報道で、長野県が、知事部局や県教育委員会事務局などの部課長級職員265人を対象に、職員がみずから設定した目標と成果によって5段階評価し、評価結果を今年12月支給分のボーナスから反映させる、業績管理制度を導入すると発表した。 報道によれば、課長級職員については部局長が一次評価し、知事・副知事が二次評価する。部長級職員については、副知事(空席のため、当面は経営戦略局長)が一次評価し、知事が二次評価する。 評価結果はA−Eの5段階。Cの勤勉手当を従来どおりの基準額とし、B、Dはそれぞれ5.6%の増、減。A、Eはそれぞれ11.1%の増、減。人数の配分はCが70%、B、Dは13%、A、Eは2%の相対評価。 この報道で、私たちは、いくつかの心配な点を感じ、今日、日本共産党県議団として知事に申し入れを行った。あいにく、急な申し入れになったため、知事は日程が詰まっていて会えず、私たちの申し入れの趣旨は、総務部長から知事に伝えてもらう形になった。 日本共産党県議団は、県民の立場にたった県政の改革を支持する立場から、改革を前進させるためには、知事と改革のパートナーである県職員の信頼関係が大切であることを、繰り返し強調してきた。今回、幹部職員から導入されると言うこの業績管理制度、つまり能力評価制度で、本当に職員の意識改革や意欲がわいてくるのかは、おおいに疑問だ。この制度の導入で、いったい県民サービスがどれだけ向上するのだろうか。 まず第一に相対評価である点。私は、自分自身のたった1年の教員の経験からも、5段階の相対評価で通知表をつけることの矛盾を悲しく思ったし、3人の子供の母親になってからもそのことは痛感した。相対評価は、あくまで、他人との比較であり、自分自身が現状より向上したり、前進しても、それは正当に評価されない。 ―県職員の仕事や能力を評価するのは県民だ 公務員の仕事は、営業や販売、製造など、目に見えた形で営利に結びつく成績を評価できる民間企業とは違う。成果や結果を出さなければ評価されず、成果や結果をだすことに追われて、県民の意見をじっくり聞けない職員が増えることになったら、県民にとっては不幸なことだ。 すでに、能力別評価制度を導入している東京都の職員のアンケート調査の結果で、「管理職(評価者)の好き嫌いが評価に影響する」48・6%と、人間が人間を評価することの難しさが指摘されている。人事異動や昇任などのための評価は、一定必要だが、5段階相対評価で手当に差をつけるというやり方は、あまりにも機械的。 ―職員の目が、評価者に向き、県民に向かなくなることが心配 言うまでも無く、公務員は全体の奉仕者だ。地方公務員法第1条では、公務労働は「民主的で且つ能率的運営」であることが求められている。県民サービス向上の立場から、民間企業以上に業務遂行が集団的、民主的に行われなければならないのに、個人別の能力評価制度は、チームワークの破壊につながり、個人間の競争をあおる結果になりかねない。 ―結局、被害を受けるのは県民、ということにもなりかねない 日本共産党県議団として、今回の5段階相対評価、能力別評価制度の導入を再検討してほしい、と申し入れた。 県職員が、もっと、県民の意見を良く聞く機会や、県政の現状やめざすべき方向を県民に語る機会が増えるような環境作りを、私は心から願っている。5段階に評価され、ランク付けされるのではない、もっと人間的な信頼関係を作ってほしいものだ。 (2004年7月9日)
<申し入れの文書> *** 長野県知事 田中康夫様 2004年7月9日 日本共産党長野県議団 団長 石坂 千穂 申し入れ 日本共産党県議団は、県民の立場にたった県政の改革を支持する立場から、知事と改革のパートナーである県職員との信頼関係が大切であることを再三強調してきました。残念ながら、最近の県政の動向に、いくつか危惧する点がありますので、以下の点を申し入れます。 1、長野県が新たに実施するとされている幹部職員の能力別評価制度は、県民サービスの向上という立場から疑問や問題点が多く、県民の利益にはならないと思われるため、実施を再検討してください。
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