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長野県議会は臨時議会の最終日
15日に高校統廃合の9議案を採
決しました

臨時議会終了後、懇談会で報告する県議団 長野県議会は臨時議会の最終日の15日に高校統廃合の9議案を採決しました。3件は可決、6件が否決されました。
 住民合意のない6件が6月議会で日本共産党が発案し多くの県議の賛同で改定された条例によって否決されたことは住民の世論と運動の成果として歴史的な意義があります。
 本会議では日本共産党県議団からは毛利栄子議員が「岡谷東高校と岡谷南高校の統合に関して」藤沢のり子議員が「大町高校と大町北高校」の統合に関して、それぞれ討論を行いました。
 この日、100人をこえる県民が傍聴し、議会終了後、日本共産党県議団との懇談には約50名が参加しました。


以下、藤沢のり子県議ともうり栄子県議の討論の全文です。

藤沢のり子県会議員高校統合について議会の同意を求める議案に対する討論
  2006年9月15日 藤沢のり子


 高等学校の統合について議会の同意を求める議案第12号大町高校と大町北高校の統合について不同意の立場から討論をいたします。
 以下反対の理由について申し上げますが、12号議案に留まらず、その他の反対の議案にも共通するものであることを申し添えておきます。

 不同意の最大の理由は地域を始め教育現場での合意形成がなされていないことであります。

 ご承知の通り、今議会に統合案の白紙撤回を求める請願書が大町市民の代表、大町市長、大町市議会議長連名で提出されました。正に地域あげての存続を求める要請であります。

 これまでも大町市の約7割に及ぶ2万5千800人余の統合反対の署名を始め大町市議会での全会一致での見直しを求める決議など統合反対が地域住民の総意であることが示されており、統合への合意形成は全くなされていないといわざるをえません。

 その背景には、どちらの高校もがかけがえのない地域の宝であるという住民の皆さんと教職員の熱い思いが見えてきます。
 大町高校は全校生が全員クラブ活動に参加し、県大会、全国大会での活躍を始め、現役での大学進学率は80% を越えるなど、文武両道での活躍に地域からの期待は大変大きいといわれています。
 また、大町北高校は正に地域あげて特色ある高校作りに取組んでいます。

 生徒と教師、PTA、同窓会が一体となって22年間に渡り続けてきたアジアアフリカ難民支援運動は全国的にも知られ、大変賞賛されていますし、放送部は昨年度高等学校総合文化祭全国最優秀賞受賞をはじめ大変優秀な作品作りを続けています。

 これらの成果は生徒と教職員、そして地元関係者のたゆまぬ努力で作り上げてきたものとお聞きしています。
 このような努力を受け止めることなく、地域や関係者の強い反対を押し切って新しい高校を設置して、果たして地域に愛される魅力ある高校として発展できるのでしょうか。

 信頼関係を断ち切っての改革が進むはずはありません。
 更に県教委が統合の理由としている生徒数の減少は当地では説得力を持たないということであります。

 旧12通学区の中学卒業生は平成25年度まで減少しないどころか、平成19年度と21年度には現在よりも一学級規模増加します。
 統合後の募集は現行の七学級分でありまして、増加の一学級分はどこで対応されるのでしょうか。
 また、県教委は現場では着実に準備が進んでいると言っていますが、職員配置をはじめ教育課程の中身も教職員の間では合意が出来ていないとお聞きしています。

 このように地域でも教育現場でも合意なく統合だけを先行させることは子どもたちによりよい学習環境は提供できず到底同意できるものではありません。

 高校生が集会で語りました。教育委員会の人たちは高校の魅力って言うのは学校の選択肢の多様性というが、僕たちにとって学校の魅力って言うのは学校での思いでに胸が熱くなるということだと思います。未来は私たち高校生そのもので、魅力って言うのは高校生そのものだと思います。そして学校の主人公である僕たちの声を改革に活かしてもらえない。
 県議会は僕たちのために何をしてくれるのと問いかけました。未来を担う高校生たちの母校を守りたいという切実な願いに真摯に応え、がんばれば道は開かれるという希望を開いてあげましょう。
 
 松田教育委員長は昨日、文教委員会の集中審議の中で、生徒にとって授業は生活、高校生が主体的に学ぶ教育の必要性と生徒たちが送ってきているシグナルに早急に応えなくてはならないと熱く語られました。松田委員長が述べられたように、今、生き方を見つけられない若者、人間としての尊厳を守って生きていけない青年たちが増えている中、人間として生きる力を育てる教育は急務であります。

 高校改革が統廃合ありきではなく、真に子どもたちを大切にする、そして県民と共に進める改革として前進させようではありませんか。
 
 村井知事も提案説明で、地域住民との合意を尊重し、合意が形成された地域から着手し、合意がなされないものは白紙に戻して再検討をする必要があるという自らの意思を述べられたうえで、教育委員会の権限に踏み込めないという知事としての限界を踏まえて、その意志を県議会に託されました。

 私たち長野県議会は県民の願いには党派を超えて共同していくという長野モデルを全国に示そうではありませんか。
 
以上申し上げ統合には反対の討論といたします。



もうり栄子県会議員岡谷東・岡谷南の統合事件案に不同意の討論

 2006年9月15日 もうり栄子

 日本共産党県議団を代表し、岡谷東高校と岡谷南高校の統合に反対の意見を述べます。

 「I LOVE 東」「南高不落」これは今年の岡谷東高校、岡谷南高校文化祭のスローガンです。南高(なんこう)は漢字で「南、高い」と書くのですが「攻めにくく容易に陥落しない」難攻不落をもじっています。

 私は新聞紙上でこの記事を見つけたとき、高校生なかなかやるなとその知恵と心意気、秘められた闘志に心から勇気を与えられるとともに、文化祭のスローガンになるほど高校改革が高校生達の胸を痛めていることに改めて責任の重さを痛感しました。

 もとより、少子化が進行し、社会環境も様々に変化している中で、1校たりとも減らしてはならないと言う立場をとるわけではありません。
日本全国で教育の構造改革と称して同じようなパターンで、高校の再編・統廃合が進められています。
 そしてその手法も押しなべて地域住民や生徒、関係者の声に耳を貸すことなく一方的であることが共通しています。

 岡谷東と岡谷南を統合するという方針は昨年11月23日に突如としてきめられました。県教委が14の高校を減らすと一方的に名指しで示し、南信地域では3校受け持たなければいけないということのなかで、原案になかった諏訪地域にたいし、均等に痛みわけすべきとおしつけられた苦渋の選択の結果です。

 これが報道されるや「寝耳に水」の諏訪地域では当然大騒ぎになりました。

 高校再編整備の理由の一つに生徒数の減少、魅力ある高校づくりが上げられていますが、諏訪地域では生徒数は減るどころかむしろむこう10数年増加傾向で、200人近く増えるのです。もし、減らせば他の数校の募集定員を増やさなくてはならず、何のための1校削減なのかおよそ説明がつきません。

 また岡谷東高校は伝統ある校風の中でオリンピック選手を輩出し、福祉ボランティアも活発に行なっており、幾多の卒業生を社会に送り出し、地域社会発展のために各方面で活躍しています。

 南高校は豪放磊落な校風のもと、進学校として、文武両道の精神を発揮し、国際交流も旺盛に行ない、卒業生は地元をはじめ日本各地で活躍しています。

 それぞれが魅力ある高校として輝いており、いっそう努力を重ねているところです。

 該当校のPTA・同窓会・学校関係者・6市町村の首長・議会・教育委員会・PTA連合会・教職員組合・生徒・商工会議所などつぎつぎと納得できないと立ち上がり、署名も9万近く集められました。暮れも、正月もなく寒風のなか、街頭署名や高校生の寄せ書き運動がすすめられ、県議会や理事者、県教委への度重なる陳情など、苦悩の日々が続いてきました。

 この動きをねじふせて改革を断行しても地域に根ざし、地域に支えられる住民参加の開かれた教育が行えるはずがありません。不信感を増幅させるばかりです。

 一部に改革は一斉に行わなければごね得や損をするところが出てくるとの議論や費用対効果を論ずるむきもあります。結果として「損得」で語られるようであればそのような改革は、改革自身をリセットすべきではないでしょうか。

 「人は城」は昔からいわれてきたことであり、否定する人はいません。長野県の借金の9割が公共事業で占められ、その利子払いに教育関係費の4分の1、年間500億円も支払われていたことを思えば、必ず未来に還元され、限りない可能性と素晴らしい子供達の人間形成のために投じられるお金は決して過大なものとはいえません。

 県民的な参加と議論の中で、必要なところ、総合的に検討してやむを得ないと判断されるところ、時間をかければ住民合意のできるところは統合しても、当面、必要性も住民合意もない岡谷東と岡谷南は1年先送りすればゴーできると言うものでもなく、私は白紙撤回こそが妥当と考えます。

 教育をめぐって子供達を含めこのような議論が活発に行われたことは長野県政史上かつてないものであろうし、全国的に見ても画期をなすものだと思います。

 今回の議論が発端となって、より良い高校教育のあり方をめぐり、真剣な議論がこれからも旺盛に続くことを願って討論を終わります。
                                  

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